わかります。
先生が口頭で話すことも実は重要で、それもメモしてほしいし、さらに言えば、生徒自身が自分ごとに落とし込んでアウトプットもしてほしい…。
そう思いますよね。
私も同様のことを考えて「メモの魔力」も読みました。その時実践していたノートの型もまとめています。
ゆとりんり:
新卒で倍率100倍の民間企業に就職後、教員に転職
教員採用試験の採用枠1枠に1発合格(働きながらの完全独学)
県に授業の研修用資料の提供や、学校の試験問題見本の作成を行う。
現在は教員から転職して、並にゆとりに働いています。
noteで「少し変わった倫理の指導案」をスライドと一緒に公開しています!
でも生徒は
でも、結局テストに出るのは用語の方ですよね?
とかいうんです。
すみません。私の愚痴になってしまいました。でも、こんな思いありませんか?
本記事の内容(押すとジャンプします)
今回提案する「逆プリ」とは??
そして今回、授業プリントの型について改めて考え、「逆転の発想でプリントを作ってみました。」このまま今回のプリントメソッドの名称にします。略称「逆プリ」です。
このメソッドでプリントを作れば、強制的に学びの内容を日常に落とし込むことができます。
そして何より、誰でも簡単に作ることができるのがこのメソッドのいいとこです。
- 知識の日常への活用を強制化
- 誰でも簡単に作ることが可能
逆プリの中身(どんなプリントなのか)
早速中身を提示します。
え、これだけ?笑
そう思われた人も多いでしょう。
断固、これだけです。これこそ逆転の発想です。
安心してください。意外と考えられたプリントなんです。
質問に答える形で説明させてください。
よくある質問Q&A
これについて、具体的に解説させてください。
単語を書かない理由
最近は「活用問題」や「共通テスト」など、学びをよりリアルな日常に落とし込む力が求められています。
活用問題とは何か解説していますので、よくわからない方はこちらを参考にしてください。
ですが、よくあるこれまでのプリントでは、日常への活用力は身につきません。
これまでのプリントを日常に置き換えて考えてみると、逆プリの効果が一目瞭然となります。
これまでのプリントでやってきたことは、単語を覚えることがメイン。日常で言うと「ただ知識をひけらかすやつ」になるのです。
つまり、これまでは知識をひけらかす人を育てていたのです。
( )に用語入れる=単語覚える
単語を使って何かする機会は、日常で少ない。あっても、極端な話、嫌味っぽくなる。
逆プリのメリット
先程は、これまでのプリントの効果について解説してきました。ここからは「逆プリ」の解説に移ります。
現代だからメリットが大きくなってきたと考えています。昔の働き方、求められるものから、現代だから求められるものに変わり、それを補うことのできるプリントです。
逆プリのメリット1:知識の日常への活用が絶対化できる
逆プリは用語を日常でどう活かすかを第一とします。そのため、より日常に近い形で学習を進めることが可能になります。
例えば、最初の空欄を埋めるためにペアで用語についての会話をするとします。次の場面のようになります。
この使い方により今まで以上に授業の知識を日常に活用する能力が身に付きます。
自分で用語を理解し、日常の場面での活用を常に考えるため、知識の活用は習慣化されます。また、プリントの記述欄はそこしかないため、活用しないといけない状況を作っています。
しかし、1つだけ注意点がありますので、そこにだけ注意してください。
強制的に「この知識は日常のどの場面のものだろう?」という思考で、授業が進む。
逆プリで授業を行う時の注意点
私は授業の最初にルール(制限)を設けています。
- ペア(時にグループ)で先に発言する方を決める
- 発言者に続けて、次のひとは「あーわかる。それってさ…」と話し始める
- 両者は共に、その時の用語の活用を意識したエピソードを話すこと
- 相手の話がずれていたら優しく指摘し、ペア(またはグループ)でいいエピソードを探す
- 書く前に話すこと
最後のルールが特に大事です。これだけは守ってもらいたいのです。
ちなみに、ルール(制限)は授業を面白くします。参考記事はこちら。
「話して書くの法則」はマスト
普段みなさんは書いてから話させますか?それとも、話してから書かせていますか?学校では前者が多い印象にあります。
ですが、「話して書く」はこれからの新常識になるでしょう。
1年目の私のやり方は現実味がなかった。
教員1年目の私は次のような手順で授業を進めていました。
- じゃあ板書をノートに考えを書きましょう。
- 書けましたか?隣の人に考えを共有しましょう。
こんな流れです。
でも、これってリアルに存在しないのです。現実で、書いて話すなんてことほぼありません。
なので、リアルに「話す」→「書く」を実践させましょう。話す過程で思考を整理させ、それをノートに書かせましょう。
過程すらも逆転させましょう。よりリアルに。
現実に「書いて話す」なんてことはない。だから、授業でも「話して書く」の順で。
逆プリのメリット2:本質的な知識のインプットが可能
逆プリのメリットに戻ります。
逆プリでは、単語ではなく、その単語の意味に関する日常の具体例を記入させます。これは、実際の日常に落とし込んで理解するため、本質的に脳に入れることができるので、いざテスト勉強となった時にも思い出しやすくなります。
かつての、ただの単語としてインプットしていたのとは段違いです。
実際にクラスでも
実際に、私の受け持つクラスの生徒は、「友達と話す時、つい授業でやったことを意識してしまう…」と言ってました。
この言葉にはおそらく、「常に勉強のことを意識してしまうという」マイナスの意味も込められていますが、教員側としてはそれでこそ意味があったと、しめしめです。
他にも逆プリではいいことがあります。どんどん紹介していきます。
日常に落とし込んで単語・用語を理解するため、頭に残りやすい。
逆プリのメリット3:コミュニケーション能力の向上(小論文にも活かせる)
逆プリでは、本質的なコミュニケーション能力も養うことが可能になります。
社会人で最も必要とされるのは、勉強ができることでも、知識を持っていることでもありません。コミュニケーション能力です。
新卒社員に最も求められることは何ですか?
1位 コミュニケーション能力 19.8%
マイナビニュース『先輩社員1,000人に聞いた新卒社員に最も求めることランキング』より
2位 協調性 18.1%
3位 誠実性 17.4%
4位 ビジネスマナー 14.7%
5位 主体性 9.6%
6位 ストレス耐性 9.1%
7位 実務スキル 7.0%
8位 スケジュール・タスク管理能力 3.0%
9位 その他(自由回答) 1.4%
そして、よく勘違いをされていると思うのですが、「コミュ力=発言が多い」ではありません。
私は「コミュ力=共感力」だと思います。
先程の図を再度ご覧ください。どちらが、リアルでの会話に近いでしょうか。
逆プリを使った授業では「相手の気持ちに寄り添った会話ができるかどうか」「そんなエピソードを適切に話せるかどうか」など、本質的なコミュニケーション能力も育てます。
もちろんコミュ力とは何か、先ほど図解した内容を生徒に理解してもらう必要があります。
授業導入で話をしましょう。
「相手の気持ちに寄り添った会話」を授業では行うことになるため、本質的なコミュ力が磨かれる。
逆プリのメリット4:知識の授業と活用の授業が1度で完結
授業では、「知識を入れる回」と「活用を意識した回」を別々に設定することがあります。現代社会の裁判がまさにそのようになりがちです。
初回で知識の整理をして、2時間目に模擬裁判をしてみよう。といった構成です。
確かに、それが適した範囲はあるかもしれませんが、全ての範囲で活用の授業をする時間は確保できません。しかし、逆プリ授業では簡単に活用を意識した授業ができるのです。
なぜ兼ねる授業ができるのか
メリット1で「逆プリは知識の活用が可能」、メリット2で「本質的インプットが可能」と説明しました。これからもわかるように、活用とインプットの授業は同時に実現可能なのです。
そして、それを可能にさせるツールがこの逆プリになります。
「知識の活用をメインに置いた授業」と、「知識のインプットをメインに置いた授業」を兼ねる最強の授業を実現する。
逆プリのメリット5:プリント作成の時間が激減
激務の教員にとって授業準備の時間は本当にありません。ですよね?
しかし、逆プリはこれすら解決します。
授業準備時間を削減する逆プリの作り方
極端な話、単語と意味をペーストし、その下に□をつければ終わりです。「楽してない?」とか言われそうですが、楽して何が悪いのでしょうか。
楽して最大効果が得られるならばそれに越したことはないでしょう。
単語の下に□を入れるだけなので、かなりの時間削減につながる。
「効率化=楽している=悪という価値観」は間違っている。
現代日本では、無駄な努力が多いのです。
「最小限の努力で最大の結果」私はこれを追い求めていきたいのです。
時間外に身を削りやっている感を演出し、先輩から「頑張ってるね!」と言われるために教員をやっている訳ではないのです。
生徒が将来生きていける力をつけてあげれたら、少しでも世界が広がる時間にできたらという想いで関わっています。
ラクをする=悪いこと
金儲け=悪いこと
ではない。
ラクをする手段、金儲けをする手段をみましょう。サボっている訳ではないし、人を騙しているわけでもありません。みなさんはしっかり一歩先を見て、判断してください。
まとめ
今回紹介したは「逆転の発想でプリントを作ってみました。」略して「逆プリ」です。
一見ただ楽しているように見えるプリントですが、すごく戦略が詰まったプリント構成です。
- 知識の活用が容易に
- 本質的な知識のインプット
- コミュニケーション能力の育成
- インプットと活用の授業の一本化
- プリント作成時間の大幅減
この深さ、まるで漢字の「一」ですね。深いぃぃ。
はい、ということでこのプリント作成に関連する書籍を紹介しておきます。すごく勉強になります!
本を読む時間がないみなさんへ
教員やってると本を読む時間がない!という方は、こちらのサービスもおすすめです。
他にも、本の要約を発信しているYouTuberさんもいます。私は出勤時間の有効活用として聞いています。
隙間時間でアイデアをもらっちゃいましょう。
楽して、最大の効率を。
noteで「ちょっと変わった倫理の授業」を公開中
倫理の授業がつくれない…
よく言われます。地歴公民の教員でも一番担当したくないのが、「倫理」です。
そんなみなさんのために、そのまま使える指導案とスライドを公開しています!
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ノートに書き込みをさせても全然覚えてくれない!
工夫してノートを取ってくれない!