本記事ではこのような、質問に答えつつ「ルーブリック評価」とは何か、完全解説していきます。
- ルーブリック評価とは何か
- ルーブリック評価で実現すること
ルーブリック評価の「作り方」を知りたいという方は、こちらの記事をお読みください。
筆者の紹介
ゆとりんり:
新卒で倍率100倍の民間企業に就職後、教員に転職
教員採用試験の採用枠1枠に1発合格(働きながらの完全独学)
県に授業の研修用資料の提供や、学校の試験問題見本の作成を行う。
現在は教員から転職して、並にゆとりに働いています。
noteで「少し変わった倫理の指導案」をスライドと一緒に公開しています!
私自身のルーブリックは勤務校の手本として使われております。ルーブリックとはどのようなもので、メリットはどのようなところなのか、わかりやすくまとめていきます。
本記事の内容(押すとジャンプします)
ルーブリック評価とは
ルーブリック評価とは、ただ点数を測るだけでなく、学習の達成度を測るための評価方法になります。
「それ役に立つの?」と言われそうなので具体的に解説します!
10年ほど前から「アクティブラーニング」が注目されはじめ、最近は「3観点評価」、「英語の4技能」評価など、教育現場は少しずつ変わってきています。
その中で、ただ点数で評価するだけでは生徒のためにならなくなってきたのです。
どんな力が、どれほど足りなくて、目標達成のためには、どの力をどれくらい伸ばせばいいのか。これを示すことができるのが、ルーブリックになります。
ルーブリック評価の全容
ルーブリックってどんなもの?と想像が難しいと思います。そこで実際に私が活用問題の採点に使っているものをお見せします。
ルーブリック評価では、「技能」「思考・判断・表現」「知識」の3つの観点で評価します。
新過程の3観点やパフォーマンステストでは「知識・技能」と合わせ、追加で「主体的に学習に取り組む態度」を入れてもよいでしょう。
評価基準はすごくシンプル!!各評価指標に従って、評価を段階的につけていきます。簡単に解説すると以下の通りです。
評価指標やルーブリックの作り方についても詳しく解説しています!
ルーブリック評価が使える場面
ルーブリック評価はありとあらゆる場面で活用可能です。特にアクティブな活動を評価する際には重宝するでしょう。
「そもそも活用問題って何?」という方はこちらも必読ですよ!!
活用問題とは、近年注目されている「学びの日常への活用」を意識した問題になります。こちらをご覧ください。
ルーブリック導入のメリット
ルーブリック評価には、「点数だけでは測れない点を測ることができる」以外にもメリットがたくさんあります。
本記事ではルーブリックを用いることによる「生徒」「先生」「学校」それぞれの立場からのメリットをまとめます。
- 生徒は「なぜこの評価なのか」がわかりやすい
- 生徒は、足りない部分が理解でき、PDCAを回しやすい
- 先生は、評価基準を明確にするため、採点しやすい
- 先生は、生徒がどの力が足りないかわかるため、授業等で重点的に補強できる
- 学校は、教科に関わらず評価基準を統一できる
- 学校は、教科横断的に生徒の力を伸ばすことができる
これらのメリット、1つ1つ解説していきます。
生徒は、「なぜこの評価なのか」がわかりやすい
テストの返却時で生徒をねじ伏せることが可能なのがルーブリック評価。
「なんでこの点数なんですか?納得いきません」と不満を主張されたことないですか?
ペーパーテスト(定期テスト)でよくあることです。さらにパフォーマンス課題は感覚で採点するというわけにもいきません。そんなことをしたら、先のような発言の嵐でしょう。
そんな時に役に立つのがルーブリックです。
ルーブリックを用いることで、採点基準を細かく示すことが可能になり、なぜ自分がこの点数なのか、一目瞭然になります。
生徒は、足りない部分が理解でき、PDCAを回しやすい
採点基準を細かく示すのがルーブリックです。つまり、何が足りなくてこの評価なのかわかるので、テスト後の分析にも最適です。
また、評価基準をシラバスの観点に合わせて「技能」「知識」「思考」などのしておけば、生徒は年間を通して、自分の能力を効率的に伸ばしていけます。
先生は、評価基準を明確にするため、採点しやすい
「パフォーマンス課題や活用問題は採点しにくい」と思ったことないですか?
正直な感想でしょう。そして、科目によっては複数の先生で分担しているため、もっと採点が難しい場合もあります。
このような時にもルーブリックは活躍します。ルーブリックを導入すれば、この要素があれば「B」や、この表記がないから「C」など、統一感を持って採点できます。
感覚的な採点から脱却することができるため、採点も一気に行いやすくなります。
先生は、生徒がどの力が足りないかわかるため、授業等で重点的に補強できる
先生は採点の際に、ルーブリックをもとに採点を行います。そして採点結果をエクセルにまとめていけば、どの生徒がどの力がないのか、データをとることができます。
エクセルで簡単に、Aが何人、Bが何人、Cが何人とまとめるだけでも一目瞭然となります。
個別に誰がどの評価かまで残すと、机間指導の効果も上がります
データを取れば、授業でどのような活動を多めにするのかが決まります。
- (P)シラバスで目標設定
- (D)テスト実施(ルーブリックで採点)
- (C)ルーブリック採点をデータでまとめて分析
- (A)授業で足りない力を重点的に補強
例えば
例えば、活用問題で「技能」の得点が低かったとします。そうすると、授業も資料の読み取りや、資料を活用したプレゼンなど、重点的に力を補えます。そして、次の活用問題でも変化を読み取れます。
生徒だけでなく、先生側もPDCAを回すためにルーブリック評価は効果的です。
学校は、教科に関わらず評価基準を統一できる
学校として、ルーブリックを活用問題に導入するというのも効果的です。
「活用問題は学校で導入した」という高校や中学校も多いはずです。ですが、本質的には「生徒の力を伸ばす」ことが目的となります。
そうなると、「テストを実施すること」よりも「テストとその次の分析」こそ大切でしょう。科目ごとにテキトーにやっても意味がありません。
学校として統一した基準を定め、全教科が統一的にPDCAを回すことが近道となるでしょう。
その具体策を次の項目で用意してみました!
学校は、教科横断的に生徒の力を伸ばすことができる
世間や大学では文系や理系という括りがなくなりつつあります。
教育業界では、新3観点「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習 に取り組む態度」も登場しています。
このような力を生徒につけさせたいという学校としてのねらいがあるにも関わらず、テストは教科におまかせ!が教育業界の現状です。
この時代の変化に合わせた基準と、結果分析、それを踏まえた取り組みを組織的に行う必要があります。その効率化と効果的な実施を目指すためにも、ルーブリック導入は合理的です。
これらは、ルーブリックの最大効果とも言えるでしょう。
まとめ
今回は、ルーブリック評価とは何かまとめました。
ルーブリックとは、達成度を評価するもので、現代の教育現場で見られる「活用問題」や「パフォーマンス課題」の採点に使えるものです。
そして、導入メリットとして次の6つをあげました。
- 生徒は「なぜこの評価なのか」がわかりやすい
- 生徒は、足りない部分が理解でき、PDCAを回しやすい
- 先生は、評価基準を明確にするため、採点しやすい
- 先生は、生徒がどの力が足りないかわかるため、授業等で重点的に補強できる
- 学校は、教科に関わらず評価基準を統一できる
- 学校は、教科横断的に生徒の力を伸ばすことができる
生徒・先生・学校 の三方よしの評価基準です!!
確かに、作成が難しいと言われますが、導入する価値のある評価方法です。
そして、そんな作り方の難しいルーブリックですが、こちらで作り方も完全解説しています。そんなに難しくありません。このまままるパクリして、作ってみて下さい。
その他のおすすめ記事
ルーブリックと合わせて、活用問題も実施していきたいところです。
noteで「ちょっと変わった倫理の授業」を公開中
倫理の授業がつくれない…
よく言われます。地歴公民の教員でも一番担当したくないのが、「倫理」です。
そんなみなさんのために、そのまま使える指導案とスライドを公開しています!
ランキングに参加しています。クリックだけで支援できます。よろしければご支援ください。
最近聞くルーブリック評価とは?
パフォーマンス課題にルーブリック評価は使えるの?