本記事では、このような悩みを解決します。
ゆとりんり:
新卒で倍率100倍の民間企業に就職後、教員に転職
教員採用試験の採用枠1枠に1発合格(働きながらの完全独学)
県に授業の研修用資料の提供や、学校の試験問題見本の作成を行う。
現在は教員から転職して、並にゆとりに働いています。
noteで「少し変わった倫理の指導案」をスライドと一緒に公開しています!
本記事の内容(押すとジャンプします)
まずは結論
新卒で就職するなら「民間企業」に就職しましょう。
わたしが民間企業を勧めるのには理由があります。
- 進路相談での説得力が段違い
- 一般常識が身につく(新卒教師はこれがない)
- 新卒は唯一無二のブランドだから
- 就活は失敗できる
本記事では、データとともに、教員を目指す人が「あえて民間企業へ就職すべき」とする理由を細かく解説していきます。ゆっくり読んでいってください!
1.進路相談での説得力が全然違う
あたりまえの話をします。こどもの立場で考えてください。
「卒業後就職したい!けど、誰に相談しよう…」というとき、次のうちどちらに相談しますか?
就職活動の経験者
- 就職活動未経験者
実際にわたしも就職した経験を話すことがよくあります。
こどもたち曰く、実際に民間企業で働いた経験や、面接はどのような様子だったか、聞きたいと言っていました。
[データ]卒業後就職する生徒はどれ程いるのか
いやいや、高校卒業して就職する子なんて、めったにいないでしょ!
というそこのあなた。中学生・高校生のなかにも、学校を卒業したら就職をして働く子はいます。こちらのデータをご覧ください。
高校生の15.8%は就職希望者。(40人クラスなら、うち6人が就職希望)
でも注意してください。学校によって数値は異なります。わたしが担任していた専門学科ではクラスの半数が就職希望でした。もはや、就職に関する知識はマストと言えます。
公立の採用試験を受ける人は、採用後確実に普通科を担任するとは限りません。絶対に就職に関する話は生徒から出るものだと思っておいた方がいいのです。
生徒にこれくらいは話せるようにしておきたい!
わたしが実際に生徒と話していて、聞かれることが多かった「就職トーク」を載せておきます。
- 就活はどんな感じですか?
- 面接は何回受けましたか?
- 面接はどんな質問されるんですか?
- 大卒の就職と高卒の就職って違いますか?
圧倒的にこれらが多かったです。就職活動を体験していなければ答えられないものばかりですね。
いや、でも教員になる時に面接受けたし、面接の話ならできますよね?
全然違います!面接回数、やりとりの深さ、対策すべてが違います!
自治体によっては、面接2回でなれてしまうのが、教員です。その感覚で生徒に話してもよいのでしょうか。
教員志望の大学生の皆さん、まだ間に合います。
次の4つは学生のうちにしておきましょう。
教員志望者が大学時代にしておきたいこと
教員志望の大学生の皆さん。これだけは絶対にしておきましょう。
- 自己分析
- 就職活動
- 何社も落ちる
- 内定をもらう
最低でも上記の内容を行ってみてください。そうすると、就職活動の失敗から成功までを実体験をもとに話せるようになります。
自己分析のやり方がわからない方のために、やり方もまとめています!1日あればパッとできます。ここから始めましょう。
就活の経験は、高校生からしたら、聞いたことない、リアルな、興味のある話です。
わたしも民間出身ですが、高校生は就活の話や、企業の話を「どうだったんですか!?」と聞いてきます。
もし皆さんが経験をもとに、言葉に重みをのせて、実体験を話せると、1年目から、教育界にとっては貴重な人財になることができます。
2.一般常識が身につく(新卒教師はこれがない)
「教員は常識がない」とよく言われます。事実です。名刺の渡し方、電話のとり方、初対面の人への対応など、わたしが教員に転職して40・50歳の先輩が来客対応をしている姿を見て、正直衝撃でした。
それもそのはず。大学卒業後、そのまま教師になるからです。
怒られそうなので、一応書いておきます。一部の人ですよ!!
それでも「教員は非常識」という情報がネット上にも溢れかえっているのも事実です。
データでも、教員のうち民間企業出身者が少ないというのは明らかになっています。
[データ]民間企業出身の教員割合
小学校〜高校のすべてで、民間企業経験者は6%以下
採用試験の段階で「民間企業出身です」というだけで周りとの差は作れます。さらに、その後も生徒に寄り添うことが可能となるのです。
民間企業で身につく常識
民間企業で学べる代表例はこちらです。
- 電話の取り方
- 挨拶
- (上司・外部への)礼儀
- 話し方
- 態度
民間企業ではそれを実践の中で学べます。
でも、教員も社会に出てるわけだし、こんな常識身につけてますよ?
確かに、常識がある人もいます。ですが、タメ口で先輩に話す教員、仕事をパワハラ的に権力で押し付けるベテラン教師、日常でもなぜか偉そうな教員、こういった人を生み出しやすい環境が、学校にはあるのです。
教師が「一般常識がない」と言われる理由
本当に教師以外の職からは、「教師は常識がない。えらそう。」など多くの厳しい声が聞かれます。でも、これは1つしかたないのです。
- 毎日「先生」といわれる(先生同士も「○○先生」と呼びあう)
- 教師は絶対という環境
- 教員同士の指導は少ない(揚げ足取りはある…)
- 一般常識を学ぶ時間がない
特に上2つの要因が大きいと感じます。毎日「先生」と呼ばれると偉くなった気がします。そして、基本的に何を言っても生徒は「先生だから」言うことを聞きます。言う通りに動く人がいっぱいいるのです。
普通に調子に乗っちゃいませんか??わたしもこのままだと…。
正直、こわいです。
まずは、民間企業で礼儀などの常識を学んでからでも遅くありません。むしろ、生きていくうえでも、民間での経験はかなりのプラスになります。
3.新卒は唯一無二のブランドだから
大学卒業1年目は「新卒ブランド」というものが存在します。
新卒ブランドとは、大学4年生がもつ「新卒」と言う肩書きです。これがあるだけで、民間企業への就職率が格段に高くなります。
「新卒の民間企業内定率」のデータをご覧ください。
現役学生と比べると、既卒者(すでに卒業した人)が内定を得るのは難しい。
新卒ブランドを大切にすべき理由
新卒ブランドには先のデータでも見た通り特典があります。
- 新卒の圧倒的就職のしやすさ
- どんな企業にも行ける可能性
大学生の皆さんには、今、2択の選択肢があります。
- 新卒「教師」ルート
- 新卒「民間」ルート
メリット・デメリットを比べてみてください。
「新卒教師」ルートのメリット・デメリット
- 受かれば早くから教師として経験を積める
- 落ちても講師として早くから現場経験を積むことができる
- 落ちれば新卒ブランドを失う
- 新卒でどんな道にも勧める可能性を捨てることになる
「新卒民間」ルートのメリット・デメリット
- 就職先・将来に多くの可能性がある(※教師になる道も残せる)
- 多くの先生が経験してない経験ができる教師になるのが遅れる
- 同級生が先に教師になる置いてけぼり感を感じる
新卒民間で得られる経験は本当に大きい
実際に、わたしも新卒で民間企業に進みました。現在は教師ですが、やはり経験をもとにする話は違います。
民間時代に実際に感じた苦しいこと、うれしかったことは、経験者のみぞ知るセカイです。
大企業に就職できたのも、新卒ブランドがあってこそでした。多くの可能性を残すならば、民間就職をすべきです。
4.就活は失敗できる
就職先が無いって怖いですよね。教採1本の友人はこの恐怖に震えていました。落ちたら終わりの1発勝負です。でも、民間ルートはチャンスが多いのです。
さっきの2つのルートで失敗した場合をまとめましたので、ご覧ください。
- 新卒「教師」ルート → 失敗
- 新卒「民間」ルート → 失敗
「新卒教師」ルートで失敗したら
新卒で教員採用試験を受け、落ちる。この可能性は大きいですよね。容易に想像もできます。
もし、落ちた場合に考えられることをまとめました。
- 就職は、臨時採用講師または非常勤講師
- 新卒ブランドを捨てることになる
- 10年落ち続ける人もいる(臨採をしながら自分の勉強は難しい…)
- 教採合格後、教師に向いてないと感じても、民間への転職は難しい
特に最後の「合わないと感じたとき民間転職が難しい」のケースが重要です。理由をまとめておきます。
教師から民間への転職が難しい理由
教師から民間企業への転職は難しいとされます。理由は以下の通りです。
- ビジネス経験がない
- 先生と呼ばれプライドが高い
- 転職先で使えるスキルがない
- そもそも3月末まで仕事でタイミングがない
もちろん、100%不可能ではありません。しかし、むずかしいのは事実です。ただ、転職サイトへの登録は自由なので、メンタルケアの点でも登録はおすすめです。
一方、新卒民間ルートは安定志向の人ほど選ぶべきです。
「新卒民間」ルートで失敗したら
こちらはあらゆるリスクを下げることができます。
- 新卒なら、卒業ギリギリまで募集している会社がある。
- 民間企業就職後も、合わないなら他の民間企業へ転職可能。
- 仕事をしながら、教採に臨める。(教採に落ちても仕事がある。)
失敗にも様々なケースがあります。そもそも就職できない(これはあまり考えられません)。就職した後に辞めたくなる(可能性大)。
わたしの周辺でも、新卒1年目で多くの人が会社を辞めました。3か月で辞めた人や、半年で辞めた人もいます。でも、ほぼ全員が転職して普通に働います。
そして、3つ目の仕事をしながら教採を受けれるというのは大きなメリットです。安定思考の人ほど、この選択でリスクを減らすことができます。
教採落ち続ける人に「あきらめないの?」と聞いた話
新卒教師ルートを選択した人に失礼覚悟で「あきらめないの?」と聞いたことがあります。
こたえは
「もう選択肢がこれしかない」
でした。失敗したくない人ほど、安定志向な人ほど、新卒でどの道に進むべきかしっかり考えましょう。
5.民間企業経験者は免許なしでも教員になれる。
新卒教師ルートで失敗すると、民間企業への転職は難しいという話はさせていただきました。
そんな中、民間企業経験者は免許なしで教員になれる時代がやってきたのです。断然、新卒で民間企業に進むメリットが大きくなりました。
東京都教委は今夏に行う教員採用試験で、社会人を対象とした受験資格を緩和し、教員免許を持っていなくても受験できるようにする。合格した場合、来年度から2年以内に教員免許を取得することが条件となる。
日本教育新聞「都の教員採用試験、社会人枠は受験時免許不要に」2022年4月12日
1回民間企業に就職して、教師になりたくなったら、なれるのです。(※ただし、試験はある。)新卒でそのまま教師になるより、民間に進んだ方が、自分の可能性は広がるでしょう。
【提案】教育への関わり方は”教師”だけではありません。
民間に進む=教育から離れるというわけではありません。民間に進みつつ教育に携わるという道もあります。
今後教師になる道を残しつつ、民間で経験しつつ、民間が自分に合っていると思えばそのままその道を進めばいいのです。
さらに世の中には、教育にかかわる企業も多くあります。
- 大学改革にかかわる企業
- 新時代に合わせたICT教育を開発する企業
- 勉強を教えない塾
- 大学の広告を作る企業
大手からベンチャーまで、選択肢はさまざま。
あなたが「本当に教育で実現したいこと」をよく考えてください。最短ルートは民間企業の方かもしれません。
民間企業に就職して、ダメなら教員に転職すればいいのです。(わたしのルート)
転職は当たり前の時代です
転職は前向きな行動であるという人は、全体で約70%!
新卒で就職したところで一生過ごすとは考えない。これ結構大事な考え方です。
就職への考え方は、結婚から、恋愛へと変わっています。時代は変わっています。辞めることは悪じゃない。逃げじゃない。むしろ攻めの行動です。
ここまで読んでも迷うなら
新卒で民間か教師か悩んでいる大学生がいるなら,まずは自己分析をしてみましょう。
なにがきっかけで先生をめざそうと思ったのか。自分の強みが生かせるのはどこか。いつか面接でも使えるので、悩んでるときにした方が正直にできるでしょう。
ポイントは1日でバッとやってしまうこと。気持ちが変わる前にやることです。
自己分析のやり方はこちらで解説していますので、すぐにやってしまいましょう。
自己分析と一緒にしておきたいこと
自己分析と同時に、各種就活サイトへの登録も忘れずにしておきましょう。私は、スカウト型のサイトやアプリも同時に登録することで、効率化をはかっていました。スカウトが来れば、自信にもつながります。ぜひ活用ください。
2つ紹介しておきます。私もリクナビやマイナビはもちろんですが、「offer box」にも登録し、最初に就職した会社は、そこでのスカウトでした。
動かないと何も始まりません。何事も行動からなので、こちらも登録しちゃいましょう。
今からの行動が今後を変えます。よき未来を。
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新卒で教師になるか、民間企業に就職するか迷う…。
民間経験あった方が教員採用試験に有利なのかな?