このような独学で教員採用試験を受けようとする人たちのために、本記事では、教採の勉強法をまとめます。
筆者の紹介
独学勉強法を紹介するわたしも独学で受験しました。簡単にプロフィールをまとめます。
ゆとりんり:
新卒で倍率100倍の民間企業に就職後、教員に転職
教員採用試験の採用枠1枠に1発合格(働きながらの完全独学)
県に授業の研修用資料の提供や、学校の試験問題見本の作成を行う。
現在は教員から転職して、並にゆとりに働いています。
noteで「少し変わった倫理の指導案」をスライドと一緒に公開しています!
実際に私も教員採用試験は独学で受験し、採用枠1枠に一発合格しています。
本記事の内容(押すとジャンプします)
教員採用試験での独学の正当性
教員採用試験の範囲はものすごく広いです。これら全てを網羅する勉強はほぼ不可能です。
教員採用対策講座に全て出席し、講座を受け終えてから苦手分野に取り組み…。なんて無謀な計画と言えるでしょう。
だからこそ、自分のペースで、自分に合った勉強法で、合格を目指すことのできる”独学”は効率的なのです。
まして、働きながら合格を目指すとなると「全部」なんて時間が許してくれません。
教員採用試験の試験範囲を、全てではありませんが、こちらにピックアップしてみます。
一般教職教養
教育原理,教育心理,教育史,教育法規,教育時事,各自治体の教育施作
専門科目
英語,地理歴史,化学,など
一般教養
人文科学系(国語、英語、倫理など),社会科学系(日本史、世界史など),自然科学系(数学、生物、地学など)
小論文
面接
小論文について、軽く触れる。
小論文に触れたのは、高校生が最後という人も多くいるのではないでしょうか。小論文とは何か、改めて学び直しておく必要があります。対策なしで挑むと痛い目にあう、甘く見れないのが小論文です。ぜひ一読ください。
面接について、軽く触れる
民間企業もそうですが、人柄が重要視されるのは教員も同じです。大学受験も、総合型選抜(旧AO入試)に力を入れる大学が増えています。
現代において、社会全体で面接を重視する流れにあります。早い段階での対策が重要です。
いろいろ挙げましたが、言いたかったのは、
これら全てを勉強しようと思うと莫大な時間がかかるので、不可能ということ。
教採勉強法で一番大切なこと
範囲は莫大。やるべき勉強だけをしっかり行うことが重要となります。
つまりは、やらないことをはっきりとさせる。これが教採の勉強で一番大切です。しなくてもいい勉強をしない。そのために、計画を立てる。独学では、計画こそが全てです。
これから紹介する、大きな流れを参考にいつまでに何をするか決めましょう。そして、計画的に勉強を進めましょう。
教員採用試験で最も大切なことは、やらないことはやらないために計画を立てること。
独学教採勉強法の全容
それでは、ここからは具体的に勉強法を解説していきます。
本記事の内容は、本気で独学していこうという人には適しています。しかし「周りはアカデミーなどにいっていて不安…」「そっちに行こうかな」と悩むという人には向かないかもしれません。
一読して、それでも不安な人は、アカデミーに入ることをおすすめします。
決断力です。どっちか自分に合う方で合格まで突っ走りましょう!
考えることが得意だったり、「意地でも受かってやろう」、「やり方にはこだわらない!とにかく受かるんだ!」という人には、独学勉強法によって、しっかりとした合格へのビジョンが見えてくると思います。
本記事で紹介する手順に従って、今日から勉強を開始して、合格を勝ち取りましょう。
独学の大まかな流れ
早速ですが、独学の流れを紹介します。
面接対策(今すぐにスタート)
学科試験の出題範囲の分析(1週間でできる)
問題内容の分析(1か月でできる)
参考書を一読(2週間でやり遂げる)
センター試験・共通試験の問題集と分析ノートを繰り返す(本番まで)
教職教養の問題内容分析(1か月でできる)
教職教養は本番まで分析ノートを見返し、暗記
東京アカデミーの直前講座(1日単発)に参加
マーカーを入れましたが、面接対策から始まり、学科試験、教職教養の対策へと流れていきます。学科試験のSTEP5を繰り返す途中で教職教養を始めます。
なぜ面接対策からなのか。このあたりも含めて詳しい内容は下にまとめています。
今日くらいはココアでも飲みながら、ゆっくり読んでいってください。
[STEP1]面接対策(今すぐにスタート)
みなさんがまず疑問を持たれたのは「面接対策が最初」という点でしょう。理由をまとめます。単純なことなのですが、時間がかかることは早めに始めたほうがいいからです。
大学生は、ここ必読です。
教員採用試験が行われるのは、夏。では、本番同様の緊張感をもって面接練習をするのはいつでしょうか?そして、その雰囲気を誰が作ってくれるのでしょうか?
また、教員志望者は「教師になると決めているから」と自己分析を怠りがちです。面接において自己分析はかなり重要なのです。
怠ると面接で深く聞かれた時に浅い回答しかできず、結果として対人経験の多い社会人経験者に劣ります。
面接対策は、下の記事を読みスタートすべきです。学科試験の勉強と同時に進めましょう。
面接は実践形式でないと意味がない。だから、教員志望者でも民間の就職活動に参加せよ。
独学で教採を目指す大学生は特に、面接対策は早めにスタートを切りましょう。先の記事で、対策方法は全て書いています!いますぐ始めましょう!
[STEP2] 出題内容の分析(1週間でできる)
勉強という意味で、最初にすべきものは「出題内容の分析」です。
そして自分が受験する自治体を決めるのが大きな目的です。本命の前に受験に慣れておきたいですし、高校受験でいうところの”滑り止め”があれば理想です。
ただ、本命以外の受験先のために受験勉強の時間を割くのは勿体無い。そこで本命と出題傾向の似た自治体を探します。
自治体によって、教職教養の教育史が範囲外ということもあります。2〜3自治体受ける予定なら、本命と似た出題傾向の自治体を選び、同時に複数自治体の受験対策ができるようにします。
同じ地方の自治体だと受験日が同じ可能性があるので、受験日は必ずチェックしましょう。
そして、独学において1番大事なことなので何度も言います。
出題されない内容は、勉強しない。
「いや、でも出題内容ってどうやったらわかるの…?」って思いますよね。
これが意外とあっさりわかっちゃうんです。
教採受験者のほとんどが持っており、ない場合はインターネットでも購入できますが、こちらで出題内容はわかります。
いずれ必要になるものなので、今のうちにポチって家においておきましょう。採用試験が近くなって書店に行くと売り切れになっていることもありますので、早いに越したことはありません。
でも、もっと効率的に。いろんな自治体の傾向を一気にまとめてくれているものもあります。
独学勢はこういったものをフル活用しましょう。
こちらに関しても、店頭に何冊もおいてあるもものでもないですし、取り寄せに時間がかかる可能性もあります。サッと買っておきましょう。
ちなみに、教職教養よりも学科の試験の方が時間がかかるため、先に勉強を始めます。
本命の自治体でどんな内容が出題されるか分析し、本命以外の受験先として、出題傾向の似ている自治体を見つける。
[STEP3]学科試験の問題内容分析(1か月でできる)
出題内容の分析がおわったら、学科試験の勉強を始めましょう。こちらも、分析から開始します。
- 自治体別の過去問から「勉強しない分野」を分析
- 時間のある人は「出題されやすい分野」を分析
- 分析ノートを作る
各自治体により問題の出題傾向が違います。分析によって、問題演習を始める前に「勉強しない分野」を決定します。
日本史の場合、平安時代がよく出る自治体、近代史がよく出る自治体など様々です。
時間がまだまだあるという人は、受験期のように参考書1冊を完璧にすることを目指しましょう。受験期とは違い科目は1つでいいため完璧に仕上げやすいです。
これに該当する方は、このステップを飛ばし、STEP4の「参考書を1読」に進みましょう。
分析ノートの必要性
対策ノートを作ることをオススメします。
理由は単純です。勉強を進める中で、「あれ、どこを重点的に勉強すべきなんだっけ」と思ったときにふり返りつつ勉強できるからです。
出題傾向が確認しやすくなり、長期的にみて勉強効率が上がる。
分析ノートは、その自治体で一番出そうなところが、自分の言葉で理解しやすくまとめられているという形になっている状態になっています。
1回見れば、出題されやすい分野がわかる秘密のノートを手元に置いておきましょう。
私も結局作ってよかったと思っています。
実際にわたしの作った分析ノートをnoteで公開しています。分析ノートってどんなの?の時間を省き、さっと分析を終わらせ、本格的な勉強に入りましょう。
分析ノートを作って、STEP5の問題演習の効率を上げる。
共通テスト式の出題で知識を入れ、分析ノートを見てどのように本番でアウトプットするのかイメージできる状態を作るべく準備をしておく。
[STEP4]参考書を一読(2週間でやり遂げる)
さあ、学科の勉強を始めましょう。と言っても全く手を出したことのない科目で教採を受ける人もいるかもしれません。
実は私もそうでした。0からの勉強で1発合格できました!
高校の時に勉強したことがある科目でも忘れている内容は山ほどあります。まずは、参考書を1読しましょう。
- 問題演習の前に参考書をサラっと読み、全体像を把握できる。
- 問題演習の課程で、復習に使うことができる。
- 苦手を書き込んでいくことで、オリジナル参考書となる。
ある程度全体像を抑えた上で、問題演習に入りましょう。
[STEP5]センター試験・共通試験の問題集と分析ノートを繰り返す(本番まで)
問題演習は本番までに問題集で満点が取れるくらい繰り返しましょう。
私の場合、センター試験10年分を3巡しました。働きながらでしたが、ここは気合です。
- 共通テスト(センター試験)の過去問を10年分3周はする。
- 問題分析で明らかになった、よく出る分野を意識して解く。
- なぜ間違えたのか、苦手はどこか考えながら解き、復習時に参考書にメモる。
- 分析ノートも見返し、知識の活用イメージをもつ。
問題演習を3周もする理由
3周もする必要あるの?答え覚えてない?
このような質問にも丁寧に答えていきます。
正直答えは覚えてるんです。ですがそれ以上に、3周しても間違える問題があるのです。そこが苦手分野です。そして、3周目ともなると、問題演習にかかる時間は15分程度になります。
高速で、知識の復習ができる状態になっています。
15分で復習もできて、苦手分野も明らかになるとかコスパ良くないですか?
さらに、作った分析ノートを空き時間に見直すことで、問題演習で入れた知識を教員採用試験の問題としてどう活用するかもイメージしましょう。
問題演習と参考書を繰り返す。特に問題を解く時には苦手を意識しながら最低3周。
分析ノートを見返して、入れた知識をどう使うかアウトプットして定着を図る。
[STEP6]教職教養の問題内容分析(1か月でできる)
教職教養も各自治体により、問題の出題傾向が違います。ここでも、勉強しない分野を決定します。
学科試験よりもこちらの方が分析の意味合いが強いです。なぜなら出題範囲が膨大で、絶対に網羅は不可能だからです。
- 5年分の問題と解答をコピーし、分野ごとにノートに貼る
- 道徳・総合的な学習・いじめ、などの分野ごとにまとめる
- よく出る法律・よく出る分野など傾向が掴める
と、文字だけで説明してもわかりにくいので、詳しくはわたしのnoteで公開している「実際にわたしが受験時に作った分析ノート」を参考にしてください。
あくまで傾向ですが、県によっては、過去5年以内にでた分野は、次の試験にはでない自治体などがあります。
[STEP7]教職教養は本番まで分析ノートを見返し、暗記
何度も分析ノートを確認して、インプットしましょう。学科試験は参考書と過去問をメインに勉強を進めますが、教職教養は分析ノートが頼りです。
わたしは必要に応じて教職課程などの雑誌を購入していました。毎回買うのは高くつくので、分析結果に応じて、出そうなテーマが特集されているものだけ買っていました。
各自治体の傾向にあわせて特集を購入するのが良いと思います。
[STEP7]東京アカデミーの直前講座(1日単発)に参加
教職教養の対策として、東アカの直前対策講座に参加しましょう。本番形式の雰囲気と問題を体験できます。
それに、ここで出題された問題が本番でもよく出ます。
わたしの時も出題されました。1つ上の先輩のときも出たそうです。
ですが、注意です。「直前対策講座」のみでOKです。リンクから飛んで、自身の住んでいる都道府県をクリックしてもらうとわかりますが、高いのです。使えるものだけ使いましょう。
夏が近づくと新着情報に載ると思います。「東アカ 教採 直前」で検索しましょう。
最初から通ったら効率的ではないかという疑問へ
だったら、最初から通っていたら良くない?という疑問
確かにわかります。ですが、通う時間、高い料金、天秤にかけましょう。そして何より「やってる感」が一番怖いと感じています。
東京アカデミーはすごいのかもしれないのですが、帰り道にカフェとか、行って満足とか、そのリスクが怖いです。
独学よりそちらがいいという方は、迷わずアカデミーを選んで良いと思います。やり方にも拘らず、とにかく受かりたいんだという意思の固い人が、確固たる想いで独学を選択しましょう。
独学で教採に受かるのは可能
独学での教採合格は、可能です。しかし、無計画に勉強しても合格は程遠いでしょう。
大学生は、時間のあるうちがチャンスです。社会人は、働きながらだと、時間がありません。より効率が重要になります。
効率化のためにも、まずは計画。
いつ何をするのか、しっかり練る。そして、やらないことをはっきりとさせる。
その先に合格があるでしょう。
「年度が変わったら〜」と区切りがいいところから勉強を始めるという人も多いでしょう。
いますぐに、まずは計画を立てることからはじめ、走り始めましょう。
他のおすすめ記事
面接対策記事も書いています。教採を受けから民間企業の面接は受けない。なんて思ってませんか?練習機会を損しています。併せて読んでみてください。
noteでも記事を書いています。本記事内でも何度も紹介しましたが、「分析ノートってどんなの作ろう…」と迷う時間が勿体無いので、マネてください。
noteで「ちょっと変わった倫理の授業」を公開中
倫理の授業がつくれない…
よく言われます。地歴公民の教員でも一番担当したくないのが、「倫理」です。
そんなみなさんのために、そのまま使える指導案とスライドを公開しています!
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自分の勉強法に不安を感じている。
まず何から初めたらいいかわからない…。