【公共の指導案】なぜ暴力はダメなのか説明してよ!×「法の働きと私たち」の授業を紹介!【授業スライド】

ゆとりんり

本授業のターゲットは、
自分だけよければそれでいいと考えている生徒

なんで人を殴っちゃいけないんですか?
自分がされたら嫌とか言われるけど、俺は嫌じゃない。
別に周りがどう思うとかどうでも良くないですか?
こんな人に、叫んで言いたい。

日本がどうやって成り立ってるか、知ってるのか。

授業の概要

分野:法の働きと私たち「法とは」
テーマ:なぜ暴力はダメなのか説明してよ!
目標:法の役割と、それ以前に存在する社会規範に気づくことができる。

本ページでは上記内容に関する授業案を公開しています。「授業スライドを作る暇ないよ」という方のために、スライドも配布しています!

ゆとりんり

スライドは、黒板に映し出すと白字が浮き上がって見えます。
チョークでの書き込みにも最適です!

プロフィール

ゆとりんり
新卒で倍率100倍の民間企業に就職後、教員に転職
教員採用試験の採用枠1枠に1発合格(働きながらの完全独学)
県に授業の研修用資料の提供や、学校の試験問題見本の作成を行う。
現在は民間企業に転職し、裏方として教員をサポートする仕事をしています。
noteで「少し変わった倫理の指導案」をスライドと一緒に公開しています!

早速ですが、どのような授業内容について、詳細をまとめていきます。

本ページの見方

本ページで授業を紹介していくために、見方を説明します。わかってるわ!という方は読み飛ばしてください。

基本的に3分割で授業の流れを紹介しています。とはいえ、見ていただいた方が早いかもしれません。

まずはザックリした説明及び補足説明です。グレーの吹き出しの上に用意しています。
活動の目的や、意識することなどを書いています。

次に先生の発言の例です。これを読んでいけば、基本的な流れがわかるかと思います。
スライド◯枚目にはこんな発言を、という流れがわかります。

スライド◯枚目

吹き出しで、スライドに沿った、先生側の発言例が入れています。

そして授業スライドのサンプルです。実際のスライドを入れ込んでますので、発言と合わせて見てください。何枚目のスライドなのかも、スライド下に記載しています。

スライド◯枚目

なんとなく、本ページの見方を紹介したところで、早速実際に見ていきましょう。

導入(テーマの共有)

今回の授業ターゲットを「自分だけよければそれでいいと考えている生徒」と設定していますが、迷惑を受けるのは周りの生徒です。

仕組み的な解決方法もそうですが、授業なので「考え方」の方でアプローチできないか考え、本授業を作りました。

スライド1枚目

早速ですが皆さん。職場体験とか行ったことありますか?
保育園に行った人とかいませんか?

スライド1枚目

こんなことを言われた人はいませんか?ちなみに私は言われました。
「先生!なんで暴力はダメなんですか!」皆さんならどう答えますか?

おそらくたくさんの答えが出ると思います。

想定される生徒のこたえ
  • 自分がされたら嫌だから
  • 法律(ルール・校則)でそうなってるから
  • ダメなものはだめ
  • 自分で考えてみよっか

今回は法律に関する授業ですが、大前提のところに気づかせたいと思います。何のために法律があるのか、という点です。校則もそうですが、みんながみんなお互いを考えて生活できれば、ルールがなくても、社会は成り立ちます。

何人かに発表させて、その発言から繋げましょう。

スライド2枚目

(法律が〜からつなげる)では法律がなかったら、皆さんは暴力を行使しますか?

スライド2枚目

私たちが快適に過ごすためには、法以前に必要なものがあることに気づかせましょう。法はあくまで、手段であるというところです。授業中に生徒が静かになるには、制約より、以前にモラルという話です。

スライド3枚目

時々聞く話ですが、「あの先生は怒らないからなんでもしていい」とか。
仮に映画館でも同じですか?多分怒られることは少ないのではないでしょうか。

スライド3枚目

何か、罰があるからしないのか。それとも、それ以前に必要なことがあるのではないでしょうか?
法律はあくまで、人々が安心して生活を送ることのできる社会を実現するための手段です。多くの場所では、皆さんの持つ社会規範に委ねられます。

スライド3枚目

展開(法の役割・機能)

先ほどのスライドので「じゃあ、法律があることによって、どんなことが実現するでしょうか?法律の機能について考えてみましょう」と投げかけたうえで、こちらのスライドをお使いください。

教科書で確認してもよいかと思います。

スライド4枚目

法律には、このような機能があるとされています。
1.社会統制機能 みんなが想像するのはこれでしょう。
2.活動促進機能
3.紛争解決機能
4.資源配分機能

スライド4枚目

と、言われてもピンと来ませんよね。実際の法律とか、もう少し具体的にみて、あーこれはこれに分類されるのか、とみていきましょうか。

教科書にももちろん書いてある内容ですが、法律の種類もさまざまです。全てをすべて説明していると、これだけで時間がかかります。みたらわかる内容ですので、一例を取り上げ、見方だけ理解させましょう。

ここでは、「公法」と「私法」を例にします。

スライド5枚目

法律といっても、民法と刑法でまた違います。まず民法って何か説明できる人はいますか?

スライド5枚目

私人間の関係を定める法。そうですね、それはいわゆる私法と呼ばれるものに分類されます。では「憲法・刑法・会社法」はどちらに当てはまると思いますか?

スライド5枚目

(活動後)さて、実は「慣習法」というものも存在します。じゃんけんで負けた方の人、隣の人に説明して見てください。(→教科書で確認へ)

スライド5枚目

展開(自分さえ良ければ論)

ここからは、考える時間です。現実にも起こりうることを考えます。

スライド6枚目

私たちは、まあ大きく言えば、社会の平和があって、平穏に生活できます。それを守る手段として法律がある訳ですよね。大まかには。

スライド6枚目

だからこそ、思いやりだったり、いわゆる空気を読む的なことは重要な訳ですが。中にはこんなことを言う人もいます。

確かに、どこに行ってもルールが存在する世の中です。学校なんてのはまさにそうで、理不尽とさえいえる規則・校則もあります。

学校で私も実際に言われたことのある発言を取り上げました。

スライド7枚目

平和でないと安心して生活できないのに、こんなことを言う人もいます。「だるいからルール守りたくない」「暴力でマウントとりたい」後者に関しては、発言はせず、行動で見せてきますかね。

スライド7枚目

ミステリという勿れ』の久能整くんに言わせてみれば、そういう行為が認められる場所に行けばいい。実際にドラマでは「あなたは水泳大会にやってきて、棒高跳びをしたいって言ってるようなものです。大変、迷惑なんですよ。だからね、あなたは棒高跳びの大会に出たらいいんですよ。」とか言ってました。

スライド7枚目

ただ、そうは言っても簡単には行きません。

答えなんてないオープンエンドな問いですが、現実はこんなことばかりです。リアルを考えさせましょう。

スライド8枚目

みんなに暴言や暴力を吐いたり、ルールをどうしても守らない人に、皆さんは勇気を出して注意したとします。
「(自分が)されたら嫌やろ?」と言っても「いや、別にいい」と言われます。さて、どうしますか?

スライド8枚目

まとめ(法律・ルールをつくろう)

先の問いは、どんな着地をするのか、答えはありません。暴力に暴力で応えるという着地は許してはいけません。先生方、うまいことなんとかお願いします

スライド9枚目

ルールのない場所にいきゃええやん…。と言いたいですが、そんな場所、ほぼありません。

スライド9枚目

ただ、ルールの良し悪しはあるかと思います。

学校のルールに不満を持っている人も多いはずです。ここでは「法律をつくろう」としていますが、議論が活発になったり、法律が難しいというようなら校則でも可です。

スライド10枚目

皆さんにはこれから法律をつくってもらいます。これからもしかすると社長になったり、もしくは学校の先生になる人もいるかもしれません。家庭をもつ人もいるでしょう。ルールをつくる機会はゴロゴロあります。

スライド10枚目

この「法律に必要なこと」を意識してつくってください。ただし、ちゃんと成り立つものにしてくださいね。第3条までの作成を今回のワークにします。

スライド10枚目
スライド11枚目

ワークは、個人からグループという流れを想定しています。編集して変更していただいても構いません。考えたことへの振り返りと、考え方の幅を広げるための客観性を確保したいので、グループワークを入れています

ラストの法律をつくるだけで、1時間必要になるかもしれません。授業ストックがやばい!という先生はうまく使ってくださいませ。

ゆとりんり

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